ピンピン!そして、新しき好敵手!?~catch-up 1/4

ホームストレートから第二コーナーの入口までが、厚みにして10cmぐらいのもみ殻に、すっかり覆われている。先週は表面の砂が掃われて、固く、ところどころ黒光りしていた第一コーナーも、今日はRMの前輪を捉えて離さない。すべりやすくなったコースにあって、バックストレートとここだけが、思い切れるところだ。スタンディングしたまま、もみ殻の上を加速して、ただ前に居るマシンを追い駆ける。・・・どのくらい周った頃だろう、フープスのコブをひとつひとつ、丁寧に越えていく赤い車体が、目の前に現れた。決してタイヤが路面から離れることはなく、静かに先へと急ぐマシンは・・・okano師匠のCRF150RⅡだった。

午前中の練習走行、その二本目。イバMOTOらしく、競り合っている時のことだ・・・インから、先にokano師匠がフープスへ入る。すぐ後ろにつけていたワタシは、アウトからフープスへ・・・。中ほどでCRFに並びかけたRM、そのまま速度を落とさないように駆けていくと・・・左側のCRFがコースの外に向かってふらつき・・・失速していた。二つ目と三つ目のコブの間にある深いくぼみにフロントタイヤがはまって、車体の均整を失ったらしい。後で聞いたら、そう話してくれたokano師匠。それからは、フープスを全然攻め切れていない。レースになっても、それは変わらなかった・・・

その時と同じように、CRFの前に出て、フープスを終えるRM。次は、真ん中から乾いたアウト側に抜けて、慎重に立ち上がるしか無くなった大きな左コーナーだ。神経をとがらせて右手を動かしながら、バックストレートに向かい最初のコブを跳び越えていく。そのストレートが終わる頃には、後ろから聞こえていたCRFの排気音も小さくなって・・・楽しみにしていた師匠とのバトルは、一瞬で終わってしまった。でも、まだ、視線の先にマシンの姿が覗いている。とにかく追い上がるしかない・・・。

<伏兵と呼ぶのがいいのかどうか・・・新しき好敵手は、その中に居た・・・次回に続く>