誰もいないのが・・・それっぽい!

空調を入れてないBongoの車内。薄手のカーゴパンツに、ブリジストンの白いTシャツと濃い灰色のパーカーの組み合わせ。ヒザのお皿からスネにかけて、肌がひんやりと冷たくなってくる。午前6時10分。雲の割れ目から、太陽が下半分だけを見せたり隠したり・・・しばらくは気温も上がりそうにない。たまらず、空調のスイッチを操作して、足下に温かい風を送り出す。

片側三車線に拡幅され続ける国道4号線のバイパス。日曜日の早朝、道には、高速道路を思わせるように、クルマが流れている。車中で頬張る朝食は、飽きもせずに“レーズンボール”。ただ、助手席からひとつずつ手渡されることはなく、シートの上に置かれた袋に左手を突っ込み、レーズンボールをひとつ取っては口に運んで・・・を繰り返す。

あわてて、MDをいつものヤツに入れ替える。挿し込んだのは『Summer!』・・・しかし、厚く灰色の雲に覆われた空の下で、夏はすっかり終わってしまっていた。プリンセス・プリンセスの“世界でいちばん熱い夏”がお気に入りのryoもいない今日、数カ月振りに一人でBongoを走らせる。氏家の交差点を国道293号線に曲がって・・・向かう先は、福島県鮫川村だ。

<次回に続く>