快晴、無風。 2

周囲の木々は、色付く気配も見せずに、緑色をしたまま。パドックの南西に向かって、さえぎるものはひとつも無い。眼下の榛東町を跨いで、ちょうど目線の高さに、山並みが蒼く霞んでいる。妙義山の奇影も、しぼやけていて、ぎざぎざした稜線が朝の光にやわらかく映る。山裾には薄く雲がたなびき、春を思わせるおだやかな日和だ。去年、夏の盛りにやって来た時と同じ・・・東側に見える山頂からパラセーリングが浮かぶ絵も、変わっていなかった。

コースの入口はどこだとか、どっち回りだとか・・・初めて訪れる山間のコースに、何から何まで気になる様子のryo。確かに、初めてのコースでは、ワタシよりも思慮分別のある走りをする。一周目から気を許して転ぶなんて、まあワタシぐらいのものか・・・RM85Lに乗り始めたずっと前のこと・・・NS293で先の見えないジャンプを跳んで、コースを外れてしまったことを思い出した。ryoと二人きりで走るのもあの頃のようで、ずいぶん昔のことが懐かしい。

<次回に続く>