快晴、無風。 5

第一コーナーのバンクから、一つ目のテーブルトップ・・・すり鉢のように平らなところが短くて、“ハーフパイプ”でも走っている気になる。続く小さなテーブルを跳び越えて、上りながら大きく左に切り返す。コース中、一番高く跳ばされるビッグテーブルトップを過ぎて、路面が緩く右に曲がる。途中のコブを跳び出して、そのまま右に車体を傾けると・・・“ギャラリーストレート”。まだ一周目なのに・・・我慢できずに、ほとんど全開で駆け上がっていく・・・リヤタイヤに体を預けて右手を捻れば、すべることなくフロントタイヤが浮き上がってくる。上りながらのシングルジャンプを、気分のままに跳び出して・・・もう一つのシングルジャンプ。その斜面に車体が乗り上げてから、ブレーキをかけて・・・そこまでの勢いを止めてやる。

このシングルジャンプの頂点を境に、一瞬、上り勾配が終わる。斜面の先は大きくえぐられていて、跳び上がらなくても、強い衝撃で路面へと落とされる。右に曲がって、コブを跳んで、左に曲がって、小さなダブルジャンプを跳んで、90°の左コーナーを過ぎると・・・手強い下りの始まりだ。クランクの形に下がる路面、リヤブレーキは簡単にタイヤをロックさせて、弾みながら向きを変えることになる。転ぶことなく立ち上がった先には、シングル、ダブルとジャンプが並んでいる・・・ここのダブルジャンプ、挑戦できる距離じゃないのが、歯がゆい。ここからは大きく二段で下がっていく。最初の下りは、左に車体をねじりながら・・・路面が平らになって、速度を乗せたままシングルジャンプ。その先は、鋭角に下って上る。うっそうとした木々が光りを遮っていて、土の状態がわからない。暗がりに、少し恐怖する。

湿ったくぼみがフロントタイヤを揺さぶって・・・さらに恐怖を煽ってくる。右手がひるんで、勾配に加速が負けそうになる。すかさず半クラッチを当てて、上りきった先、左コーナーのイン側にRMを着ける・・・立ち上がって、すぐに右へブレーキターン・・・ロックしたリヤタイヤが外に逃げていって、その先の斜面をうまく加速できない。半端な飛距離で着地して、深いバンクの右コーナーから、短い直線をはさんで左に90°曲がる。少し距離のある下りの直線も、次の左コーナーを斜めに入っていこうとすると、RMの車体が真っ直ぐに立っている時間はわずかだ。轍の残った斜面から、最後のダブルジャンプに跳び上がると、スターティンググリッドの広がりが目に入ってくる。「楽しいけど疲れる」とryoが言うコースは、2周目から“全開”を誘う。応えるようにRMが、左右に逃げ出すことなく、真っ直ぐに最終コーナーを立ち上がっていく。

<次回に続く>