快晴、無風。 7

<快晴、無風。 6の続き>

太陽が空の真ん中に昇ってきて、路面に広がっていたマシンの影も、ほとんど見えなくなった。昼休みの前、最後の一本もryoと絡んで走れるように、スターティンググリッドの前で、KXが戻ってくるのを待つ。山の起伏をそのままにして刻まれたコースは、ここからでは見渡すことができない。奥からわずかに届く音と、小さなS字コーナーを立ち上がった先の斜面から跳び上がる車影が頼りだ。その斜面を跳び出してきたCRF250Rの後ろに、細い高音を響かせる、緑色のフロントフェンダーが映っていた。

車体を折るように、最終コーナーを切り返すryo。その立ち上がりに合わせて、アルミのレバーにかかった左の人差し指と中指を、真っ直ぐにする。リヤタイヤが赤土をつかんで、フロントタイヤの接地感が一瞬薄くなる。第一コーナーの頂点では、KXが土埃を上げながら、高いバンクの端でブレーキターン・・・その下、バンクを上がらずに、傾斜のない平らな路面でRMの向きを変えてやる。手を伸ばせば、KXのリヤフェンダーに触れられそうなくらい・・・ほぼ真横についた二台が、ひとつ目のテーブルトップを並んで跳んでいった。

<今日はここまで・・・残りは次回に!>