二度目のMCFAJ 2

コースの入口には、さっき目にした大会事務局の青いテントや、タイヤメーカーの赤や黄色のテントが散らばっている。その間を、揃いのジャンパーを羽織ったレース関係者が忙しく歩き回っていて、クルマ一台が通るのもやっとの賑わいだ。ぐちゃぐちゃした粘土の上で、Bongoがヨタヨタと動く。コイン式の洗車機を納めた青い鉄製のコンテナの上、両手で屋外用の大きな白いスピーカーを支えているのは、saitoさん。その姿を下から見上げているのは、satakeさん。運転席の窓を下ろして「おはようございます!」とあいさつすると、その声を押し返すように、冷気が膝の上に転がり込んでくる。「あれっ、出るの?」「うん、Lo-X」飾りのない短いやり取り、見慣れた笑顔に包まれると・・・やっぱりここがホームなんだと、素直に思う。今日は走行申込書を書くこともないから、二階建ての受付小屋を素通りだ。混み合ったパドックの中、停める場所を探して、Bongoのハンドルを左に大きく回してやる。開け放ったままの窓に、冷たい風が流れていった。

<次回に続く>