二度目のMCFAJ 5

丸められて傘のようになった黄旗が、コースマーシャルの頭上で大きな弧を描いて・・・左端から一台ずつ、先導車のYZ250Fを追って、第一コーナーに向かって加速していく。イバMOTOにはない流儀だ。隣にいたryoが、最初の合図で、思わず飛び出してしまう。

すぐにクラッチを切って、フロントタイヤが列の前に出たところでマシンを停める。一台ずつ旗に促されて、ようやくKXの順番が来た・・・ゆるんだホームストレートの赤土を後ろに弾きながら、控えめな加速を始める。その後ろ、直線の1/3ほどの差を開けて、RMが付いていく・・・舞い上がる泥をヘルメットとゴーグルで受け止めながら・・・。

角が取れて、ブロックが丸くなったリヤタイヤが、褐色の路面をしっかりと掴む。第二コーナーからひとつ跳んで右に折り返し・・・続くジャンプ、跳び出しがえぐれた斜面にリヤタイヤを蹴飛ばされて、前転しそうになる。意味も無く後ろを振り返ってから、スタンディングで第四コーナーを回り、ステップダウンを跳び上がる・・・。

着地後、右に90°曲がって、リズムジャンプと二連ジャンプをなぞり、右コーナーのバンクから鋭角にシングル、テーブルとジャンプをいなす。着地して左コーナーの外側をたどると・・・フープスだ。最初から二個跳び、後半をだらだらっとやり過ごすと、逆バンクのような“左”を大きく旋回していく・・・。

前を走る数台をバックストレートで抜き去って、アウトバンクからスネークに入る。上り勾配へは外側のワダチから加速して、イン側を立ち上がり下っていく・・・小さなダブルと、コース幅いっぱいに広げられた小さなコブを過ぎて、右コーナーを回る。右手の動きにエンジンが敏感に反応して、リヤタイヤが左に振れる。

傍らにsatakeさんが立つフィニッシュテーブルに乗り上げて、そのまま最終コーナー。ryoに導かれるように、真ん中からインに抜けるラインを走って、ホームストレートに戻る。saitoさんに言われたとおりに固めた足回りと、雨水を吸い込んでさらりと粘る路面で・・・へたったタイヤが、少しも気にならない。