冬の気配 3

<11/27の続き>

#314、“KXのにいちゃん”が最後にチェッカーを受けて、スターティンググリッドから女の子が二人、仲良くCRF50を走らせる。フルサイズマシンが居なくなり、50ccから110ccまでのミニモトクラスに入れ替わって、広いコースがすっかり静かになった。KX65で別格の走りを見せていたkidsが上のクラスに移されたから、KLX110を操る二人組がうるさいだけで・・・それも奥に消えてしまうと、休み時間のように思えてくる。スターティンググリッドの前、Tシャツから延びた二の腕に陽射しが当たる。天気予報で言うほど寒くはないし、走り終わった体が冷たくなってしまうこともない。ひどく快適な午後になった。

ぼうっとしていた目の前を、tasakiパパとyo-heiくんが縦に並んで通り抜けていく。右手で“ひさし”を作り、眉毛の上に置いて、二人の行方を追いかける。全力で駆け出せば、後ろ姿に追いつけそうだ。それでも、今日で二回目とは思えない走りで、パパを引き離そうとする“tasaki Jr”。3クラスに分かれての練習走行で、待ち時間は40分・・・待ちきれずにミニコースを走っては、パドックに戻ってきて・・・それを何度も繰り返していた。yo-heiくんに忘れていた感覚を揺さぶられる・・・一将祭を前に、気持ちが入った子供たちに気後れしていられない。saitoさんの声がコースを渡ると、その風に乗るようにして、RMの下へ引き返した。

<次回に続く>