2011年最後のレース~その3

前に見えるマシンがどんどん近づいてくる・・・レースの最中で、これ以上気分が乗ってくるときはない。その“ノリ”のまま、KX250Fを抜き去り、さらに前を走るMr. GのYZ125にまで挑みかかるニセmanabu。かわされたtoudouさんも、このまま引き下がれない・・・はずが、気持ちとは裏腹、少しずつ車間を開けられていく。離れる背中を見ながらのレースは、気持ちを持ち続けるのがしんどい。それがニセmanabuだから・・・なおさらだ。下り坂、アウトの縁で手を振るワタシに一瞥もくれず、KX250Fがひときわ大きな排気音を残していった。

こちらもワタシの声には応えることなく、激しく駆け抜けていったYZ250F。サイドカバーの#248を翻し、薄く土埃を散らして、フィニッシュのテーブルトップを跳び上がる。さすがにMr. GのYZ125は、なかなか手繰り寄せることができない。それでも視線の先に2サイクルマシンを捉えたまま、第一コーナーからインフィールドへ・・・風に煽られるのを覚悟でキャメルを高々と舞うYZ250F。そしてフープスの入口、左コーナーのインを衝いたところまでは良かった・・・ん?マシンが停まっている?!・・・あろうことか、ここで“エンスト”。すぐ後ろに着けていたtoudouさんだけじゃなく、katouくんにも抜き去られてから、ようやく再発進する始末・・・持っている男は、やっぱり一味違う。

これでクラス4位に順位を下げたニセmanabu。いつもなら、レースもこのままズルズルと下がっていくところだけど、今日は諦めが悪いようだ。もう一度“勢い”を乗せて、katouくんの背後に迫っていく。最終戦の表彰台には、どうしても一台かわさなければならない。逃げるYZと追うYZ。二台の距離が、周回ごとに狭まって・・・見ているこちらも、思わず力が入ってしまう。saitoさんのアナウンスも、俄然熱気を帯びて、二人の激走を伝えている。satakeさんが#163の前に“L-1”のボードを差し出して、残り一周・・・見せ場は、それから1分以上離れた、スネークで待っていた。

<ニセmanabuの表彰台は・・・次回に続く>