2011年最後のレース~その9

「因縁の対決」とは、レースの後にtomobeさんが口にした台詞。そんなつもりはさらさらないけど、Loc-Xと同じ展開に、何か近いものを感じてしまう。ただ・・・今日は離さない。うらやましかった新品のリヤタイヤも、ここまで路面が締まれば敵じゃない。午前中だったら、一瞬でゴーグルが見えなくほどの“泥つぶて”を覚悟の接近戦が始まった。スネークヒルの下りに見えているのは、shinくんたち。コントロールラインの脇では、machi-sanが右のコブシをこちらに向かって突き出している。でも、それに応えるだけの余裕が、ない。ただ一人、スネークの日陰で手を振り続けてくれているMr. Gにだけ、左90°の湿ったコーナーへRMを突っ込ませながら、二度、三度とヘルメットを動かしてみせる。はっきりそれとわかる“声援”は、さすがに心得たもの。その“聞こえない声”を背に、スネークのテーブルトップを跳び越えていく。ラインを外さないと、tomobeさんのリヤタイヤを弾いてしまいそうだ。苦手な右コーナーが、すぐ目の前にやってくる。

フープスから左に大きく旋回してうねるバックストレート。そして、このスネークヒルの入口までは・・・“直線番長”のワタシに分があるようだ。二台のRMが、相似を描くほどに近づける。それでも、前には・・・出られない。その後、長い上りと下りでも、コントロールラインへと続く大小のジャンプとコーナーでも、ホームストレートへ“不格好”に曲がる左コーナーでも・・・コース脇でうごめく人影と、コーナーのイン側をつないでいるおかげで、Loc-Xの時のように離されることはない。ただ、コーナーの前と後ろの処理が似ているのか、それとも同じRMだからか、立ち上がると、なぜだか後ろに付いてしまう。どうしても、かわせない。第二コーナーやステップダウンの手前で、誰も入らないインにラインを変えてみても・・・返って泥に喰われてしまっては、その視界に気配を感じさせることもできない。それでも、リヤタイヤがすべっているのは・・・新品タイヤを履いているtomobeさんの方だった。コーナーの進入でマシンが暴れるたびに、少し引いて・・・次のコーナーで猛迫しては、いつか失敗してくれるのを待つ。気がつけば、Loc-Xと同じ展開、やはり“待って”いてはダメだ。こんなことを繰り返している間に・・・mori-yanは見えなくなり、真後ろにryoが迫っていた。

<最後の最後で、一番の盛り上がり?!・・・次回に続く>