2011年最後のレース~その10

危うい走りのtomobeさんも、さすがにフルサイズの経験が豊富だから、簡単には崩れない。そんな二人、サボっていたわけでもないのに、いつしかryoの“射程”に入ってしまっていた。あれほど後ろに離れていたのに・・・「ryo、驚異の追い上げ。白熱した二位争い、勝負はラストラップか?!」saitoさんが叫んだかどうかはわからないけど、KXが雑じって三台が、絡み合ったままフィニッシュテーブルを越えていく。そして、コントロールライン。satakeさんの右手が、三人に等しく差し出される。“L1”・・・今年最後の“1周”だ。

tomobeさんとワタシのRMに、ryoのKXが続いて、ホームストレートを駆け抜ける。強い向かい風なのに、まったくわからない。第二コーナー、イン側にKXが寄って、さっそく仕掛けてきた。さすがにうまく加速できないから、前には出られずに下がる。これで諦めたと思った第四コーナー、ステップダウンの手前で、もう一度インを狙って仕掛けてきた。ここは、インとアウトでかなり距離がある。小さく曲がることに自信があれば、絶好の勝負所だ。アウトから立ち上がってくるRMの真横に、KXが並んだ。

それでも、立ち上がりの速度は、アウトバンクを抜けてきたRMに敵わない。並ぶようにしてステップダウンに入ったけど、飛距離はRMの方が長かった。ジャンプが得意のryoでも、すべてがうまくいくわけじゃない。おまけに、着地した後の右コーナー、イン側を奪ったのはRM。アウトを走らされたKXが、視界から消えて見えなくなった。今度はワタシの番だ。この先の右コーナー、ここでインからtomobeさんを弾き出す。いつもやられている同じやり方で・・・。ただ、勝負に出たのは、ワタシだけではなかった。

<“フィニッシュ”はその先に・・・次回に続く>