あみプレミアムアウトレット 6

スネークの入口、暗い右から左への切り返しも、土がブルドーザーのキャタピラ痕のまま凍っていて・・・いきなり進行方向と全く関係ない方を向くフロントタイヤに、驚かされる。寒さで体が強ばり、よろめいて、短く急な坂がおぼつかない。もう少し、凍った湿気が溶け出してくれば・・・光と陰の“似て非なる”感触を両手に沁み込ませて、長いスネークヒルから降りてくる。前を走るKX85Ⅱが、ずいぶん近づいていた。

赤地に白く“58”と記されたマシン、乗っているのはkoha-chanだった。ようやく85マシンに体が追いついてきたようだけど・・・まだ少し持て余しているようにも見える。中学一年生にしては小柄な女の子だ。「逆回りになってから初めて」と言うから、ずいぶん会っていないはずだ。ただ、ママとの“二人三脚”は一緒で、明るく素直なあいさつも、変わらず耳障りがいい。今日はフープスを跳んで帰りたい・・・母娘とも、眼差しは真剣そのものだった。

手持ち無沙汰のkeiをよそに、koha-chanと絡み合って楽しむ。アウト一辺倒のインを刺してみせると、次の周から、しっかり同じラインに載せてくる。フープスとバックストレートだけは思いどおりにならないみたいだけど、共にする時間を重ねるほどに、ワタシとの差が無くなってくるような感覚に襲われる。そんな姿を後ろに、ryoと走り始めた頃を思い出していた。揃ってパドックに戻ると、「ありがとうございました」を伝えるために、マシンを停めてすぐに駈けてくる。そのうち見えなくなってしまうんだろうけど・・・ね。

<次回に続く>