2011もそろそろ・・・

青いペンキが塗られたコンテナと、二階建ての受付小屋の間・・・風を避けた空間で、RMのクランクケースからミッションオイルを抜き出す。オイルらしい粘りけと琥珀の色は無くなり、ただ黒ずんだだけの液体が、ボルトを外したドレーンからまっすぐに垂れてくる。

焼けたクラッチ板のカスが混ざり、焦げた臭いが鼻孔に届く・・・。左側にしかないラジエターシュラウドは、純正のステッカーが剥げ落ち、鮮やかな黄色は膝と土埃にこすられて、その部分だけ赤茶に変色している。ハンドルグリップに付いた6本の“リブ”は、手のひらの痕だけ、丸くすり減っていた。

得意の直線もいつもと違う加速。リヤブレーキをかけても路面に引っかからないし、フープスではリヤが突きあげられて、何度もシートに尻を打つ・・・外装に付いた細かな傷痕を眺めるまでも無く、内も外も、だいぶヤレたRM。今日を最後に“ドック入り”だ。

リヤサスペンションのオーバーホールにピストン交換、ステムやリンク周りのグリスアップと・・・タイヤも交換してやらなきゃ・・・。整備をサボって走りに夢中だったのが、墨汁のような廃油でばれてしまう。RMの走り納めは・・・今年一番の寒い一日だった。

<次回に続く>