2011もそろそろ・・・ 2

ネロちゃんを連れていこうとしたのが間違いだった。“お出かけ”用のバッグに入れて、出入り口を少し開けていたら・・・すき間から這い出てきて、部屋の隅に逃走だ。折り悪く、“天敵”のkeiがコタツに入っているもんだから、テーブルの真ん中に隠れたまま、呼んでも出てこない。どんなに甘く呼びかけても、床に腹ばいのまま、こっちを見るだけでちっとも動こうとしない。こうなると・・・おやつで釣ろうとしてもダメだ。しばらく粘ってみたけど、やっぱりダメ・・・結局ネロをそのままにして、Bongoに一人、乗り込むことにする。すでに時間は・・・7時40分。かなり遅い出発になってしまった。

「出遅れました。30分ほど遅れます」国道6号線に続く農道から、iguchi師匠にメールを入れる。背の高いワンボックスの車体が風に大きく揺られ、空は青く澄みきっていた。示し合せて今日にしたけど・・・この風じゃあ跳ぶに跳べない・・・パドックでも、じっとしていられないだろう。せめて、この風さえなければ・・・そんなことを考えながら、ヒーターが吐き出す温風とフロントガラスに溢れる冬の陽で、この上なく快適な“空間”が東へ異動していく。利根川に架かる橋のたもと、道路と水平になった吹き流しが、緑と白の縞模様を小刻みに震わせている。車体に当たる風も、川の流れに沿って真横から吹いていた。

<次回に続く>