あみプレミアムアウトレット 8

<2011/12/29の続き>

あみプレミアムアウトレット。150の店舗が集まって“セール中”の場内、通りに面して店舗が配置されているのは、同系列の佐野プレミアムアウトレットと同じつくりだった。ただ、全体的に小振りなのか、だだっ広い佐野に比べると、少し通りも狭かった。通りを外回りに一周、内周りに一周して・・・全部見てやろうと意気込んで店を巡っていく。無駄に広い佐野の店舗を見慣れているせいか、どれも小ぢんまりとしている。それでも、アパレル系の店をつぶさに見て回るkei・・・一周して内周りを始める頃には、足がうまく上がらなくなってきた。一時間前までコースで走っていたんだから・・・歩き疲れるのも当たり前だ。冷たく吹き抜ける風と、陽だまりのどこにも椅子が無いことに少しにいら立ちながら、keiの後ろを大人しく付いていった。

狭い間口に、ひとりふたりと女性が吸い込まれていく。見ていると、keiもその一人になっている。店の名前は「Vérité」、宝石屋さんだ。仕方なく、そのまま後に着いて、店の中へ・・・この時期は繁盛するらしく、狭い店内は、客と店員がひしめいている。ガラスケースに、黒ではなく、白のベルベットが敷き詰められているのが、何より新鮮だった。指輪ばかりが入ったケースの天面に肘をつけて、じっと目を凝らして、品定めをしているkei。その横で店員さんがあれこれと尋ねている。上下黒のスーツ、細身のパンツ姿に包まれた肢体は、いい具合に均整がとれている。“セール中”で全品半額・・・どこかで聞いたことのある文句を真面目に話されると、にやける前に何だか照れくさくなってしまう。

<次回、最終話に続く>