風邪、引いたみたい。

夜は冷える。CRF150RⅡを積み込むのは朝にして、ヘルメットとガードを入れたプラスチックのケース、ウェアと着替えを窓際に揃えて、いつもよりは早めに休んだはずだった・・・。夜中、洗面所に起きてからベッドに戻ると、足首から先が冷たくなって、両足をこすりつけるように動かしていても、ちっとも暖かくならない。その冷たさが、下からどんどん上がってきて、体中に寒気が広がった。悪寒というやつだ。体を丸めて、布団の中にもぐり込んでいても、どこから寒気がしてくるのかわからない。閉じていたはずの口の中で、上の歯と下の歯がガチガチと音を出す。たまらずに起き上って、部屋の電気を点ける。見渡してみても、湯たんぽがあるわけでもなく・・・目に着いたのは裏が起毛の白いトレーナー。青く“PIKO”と書かれている。それを両足のつま先に絡めるようにして、布団になかに中へと押し込んでいく。そして、頑張って体を伸ばして、じっと目を閉じる。だんだんとつま先から冷たさが消えていって・・・どうやら、そのまま眠りに落ちたようだ。ただ、「一晩寝れば」というほど、簡単なものではなかった。