これがホントの走り初め 6

<2/17の続き>

これで3回目。何となく4ストロークの特性にも慣れたし、左右のステップもワイドステップに換装、少しは振りまわせるようになったはずだ。「どこまで通用するか」じゃなくて、「ひと泡吹かせてやる」と、限られたラインに上手く車体を乗せて・・・すぐ後ろに、師匠の排気音を聞きながら周回を重ねる。今日の路面では、練習中の“アウトインアウト”も試せない。何とか前に居られるのは、走るべきところが一本しかないからか・・・。

いつまでたっても「振りきれないなら」と、ホームストレートで師匠のCRFに前を譲る。今度は“カメ”だ。師匠得意のインフィールドを、夢中になって追いかける。ひと月ぶりに見る後ろ姿だ。machi-sanが落とす視線の中、相変わらず勢いよくフープスを抜けていく。ほとんどブレない背中が、ここからスネークまでの間に少しだけ離れてしまう。つけられた“差”を取り戻す間もなく、一周、また一周とその背中が小さくなっていく・・・。

開けられるラインはアウトばかり・・・コーナーの度、大きく外を回る師匠を見るのは、めずらしいことだ。インをつなげないせいか、同じラインの上、師匠が離れていく速度はゆっくりしている。それでも確実に離れていくのが・・・悔しい。ほとんどバックストレート一本分引き離されたところで、師匠のCRFが、コースからスターティンググリッドの前へと外れていく。少し遅れて、その左横にマシンを寄せる。「どう?」・・・自分ではかなりイケてると思ったけど、師匠の評価は今ひとつ・・・「RMと比べたら全然」の走りらしい。

<つづく>