Separate Ways 3

真ん中辺りが盛り土されたらしくて、パドックは少し“かまぼこ”型になっていた。ちょうど乾いて膨らんでいるところに、城北Rのトランポが二台並んでいる。その正面、白いハイエースと向かい会うようにBongoを停めた。MCFAJの第二戦が次の日曜日だというのに、祭日のせいか、パドックの奥は広々としたままだ。ただ、少ないながらもそこはMC組。すでにマシンは降ろされていて準備万端、薄く灰色をした空とさえない褐色の地面に、赤や青、緑に黄色の原色を差し込んでいる。起きてから二時間半もすれば、少しは気温も上がってくるようで、クルマから出た体にジャンパーは必要なかった。

先にパドックへ脚を着けるのは、決まってKX85Ⅱ。その後にRM85Lが続く。いつもと変わらない順番で二台をさばいていると、受付脇にトランポが停まるのが見えた。深く輝く紺色は、iguchi師匠のハイエースだ。Bongoの両隣が空いている・・・こちらに向かって動き始めたハイエースに、両手を広げて「どっち?」と片手ずつ動かして見せると、入口からは奥の方、Bongoの助手席側にハンドルが回されていく。昨夜も「遅かった」と困ったように笑う師匠。二月の初め以来だから・・・ほぼひと月半ぶりだ。こちらの“相棒”クッキーは今日も元気、つながれた首輪が締まるのを気にすることなく、後ろ足で立ち上がっては、前足をこちらに突き出してくる、それも目一杯にだ・・・。

<つづく>