乾いた週末 4

<4/11の続き>

スタートラインからホームストレートを駆け上がるマシンを狙っては、その後を追う。スネークヒルを、座ったまま、右手だけでマシンを支えながら、後ろを振り返り仲間が近づくのを待って・・・shinくんのCRF250Rが、派手に土煙を上げる。フィニッシュのテーブルトップジャンプで車体を右にひねっては、目の前の短いストレートでリヤタイヤをロックさせて、壁のような短いテーブルを乗り越えていく。そろそろ出番だ。白と黒の格子模様の旗を手に、フィニッシュラインへ歩いてくるsaitoさん。その姿に追われるようにして、パドックへと戻っていった。

水気を無くし、白く乾いた赤土の上を、さらさらの砂が覆っている。コーナーの入口。とにかく、RMが思ったように減速してくれない。右の人差し指に力が入らない・・・いや、力が「入れられない」と言うべきか。固い路面の上に薄く敷かれた砂をフロントタイヤがつかみ、すっと外側へ逃げていってしまいそうで・・・「肩から叩きつけられたら・・・」と、どうしても思い切れない。そして、立ち上がりで不用意に半クラッチを当てれば、簡単にリヤタイヤがアウトに流れて、起き上るはずの車体が一気に地面に向かって倒れる。「ちょっと乾きすぎ」とつぶやきながらも、やっと乾ききったフープスを跳ねては、少しずつ“勘”を取り戻していく。

<つづく>