#357~その5

午前中、コースが回復するのをじっと待っていたmachi-sanは、結局、入れ違いに帰ってしまった。ざりままもコースを走らない・・・せっかくのCRF150RⅡも、少し淋しげだ。その#357を知らない瞳に、ワタシと赤いマシンの取り合わせが、新鮮に映る。水たまりを避けながら、まばらに駐まるトランポを抜けて、コースの反対側の列に頭からBongoを突っ込む。うれしことに、隣にはharada師匠!その横に、kusaba家の濃い緑色のハイエースが並んでいる。今ではすっかりクラスが違ってしまったけど、今日は午後も“混走”。コースの上で一緒に時間を過ごせるのは、ホントにひさしぶりだ。

Bongoの荷室で引き起こすだけでも、CRF150RⅡは、相変わらずの重量感を伝えてくる。この感覚に包まれるたび、そして、傍にその姿を見るたび、「大したもんだ」と、kusabaさんを見つめてしまう。街で見かけたらきっとわからないだろう、その華奢な体は、とてもモトクロスを、それもフルサイズのマシンを振り回すようには映らない。黄色に染まったゼッケンを指さしてから今年の“出来”を訊ねてみると・・・いつもより軽めの声が返ってきた。成績が良いのか、それとも“一人”だからなのかはわからないけど、陽射しに向かった笑顔が、明るく光っていた。

<つづく>