“新生”MX408 その3

今までに見たことのない色の直線は、どこか河川敷の匂いがする。三つ目のコブにフロントタイヤを弾かれながら、それを合図に右手を絞る。ついでに左の人差し指をちょんと引いて、腰を後ろに下げると、リヤタイヤが思い切り土をかむ。フルサイズマシンの一台が、フロントをかち上げて直線を過ぎていった。どこがコーナーなのか、ワケもわからないうちに第4コーナーのアウトバンクが迫る。その手前は水がたまりやすいのか、簡単にまっすぐのワダチができては、どんどん深くなっていく。そのままワダチを抜けて、乾いたバンクで左に切りかえすのも、時間が経てば経つほど、しんどくなってくる。「どうして?」・・・ここは、どうしたって曲がったワダチができても良さそうなところ。何もできず、ただ不満げにアウトバンクにぶつかっていたら、新しい直線に慣れたマシン達が、第3コーナーを頂点に4コーナーのインに向かって、曲線を刻んでいく。そのラインの外側には、土が寄せられていって、ちょっとした滑り止めのような壁もできた。前を走るMC-SEのゼッケン2が、CRF150RⅡのステップに立ったまま第3コーナーを抜け、ふたつのタイヤをその曲線に押し当てながら立ち上がる・・・。

<つづく>