願わくは 11(完)

<5/30の続き>

最後まで走って、結局まともにウサギとカメができたのは、この2回目だけ。3時10分からのラスト10分は、師匠もワタシもダブルジャンプは跳ばず仕舞い。跳び出しの“てっぺん”がヘンな風に削れてきたのと、着地にヘンなワダチができたのと・・・カラダが「跳ばないで!」と懇願する声が聞こえた気もした。それでも最後のチェッカーをほとんど同時に受けて、仲良くパドックへと帰還・・・汗をぬぐっていると、パドックの一番奥からharada師匠が近づいてきた。すっかりKTM125SXが板に付いた師匠。このところシゴいてはもらえなくなったけど、「開けっ放しで走ればいいじゃん?全開!」と、笑いながら“ホワイトモンスター”を手なずける方法を教えてくれる。「いつになったらできるのやら」・・・そんなことを思いながら、着替えをすませて、ひとつひとつ荷物を片付けていく。雲に覆われた空を見上げて、最後にテントを仕舞い込み、Bongoの運転席に腰を落とす。夏至までひと月。西の空に沈むはずの太陽は、雲の向こうで、まだ高く浮かんでいた。雲がなければ、真昼の明るさなんだろう。Bongoのサンバイザーをひっくり返して、コースを後にする・・・この次は、いよいよイバMOTO。半年ぶりのレースは、iguchi師匠と走れないのが残念だけど・・・今から心を揺らず、心地よい緊張感がたまらない。まったく、楽しみだ!