イバMOTO 1

真っ先に名前を呼ばれて、表彰台の一番低いところに上る。左にはマイク片手のsaitoさんが佇んでいる。正面にしゃがみこんでいるsatakeさんは、小型のデジタルカメラをこちらに向けている。ポリカーボネイトでできた緩い弓形の屋根の下で、machi-sanとiguchi師匠が笑っている・・・。乾いた土の上、人影が表彰台を取り囲むように散らばっていて、ゆっくり顔を上げると、雲は薄青色の空に溶けて見えなくなっていた。その空の端、彼方に世界一の大仏が少し右に体を傾げて、広がる雑木林の上でまっすぐ前を眺めている。手渡されたマイクに、ありきたりなことを言っては、saitoさんになじられる。左頬に、西日と言うにはまだ早い、白い陽射しが太陽から落ちてくる・・・雨を嫌ってエントリーしなかった人、雨が降ると予報した人、雨でも仕方がないと遊びに出た人・・・その誰もが、今、光と影の中に居る。昼休みにも散水車から水が撒かれただけ、結局、空からは落ちてくることが無かった。「そんなに行いが良い人、居たっけか?」汗に濡れた上半身がTシャツに張り付いていて・・・気持ち悪いはずなのに、気分は上々。イバMOTO開幕戦は、光と拍手にあふれて終わっていった。

<つづく>