イバMOTO 4

このところ9時ギリギリにたどり着くパドック。今日は、まだ8時30分にもなっていない。いつもの受付は無いから、二階建てのプレハブの横は素通り。Bongoに気がついたのか、その先でざりままが手を振っている。トランポの外には#4のRM-Z250、ざりぱぱのマシンしか居ない。荷室にも赤い150は見えない。折れた骨は何とかくっつき始めたというから、ひと安心だけど・・・走り出すまでに、あとひと月はかかるらしい。そのcaravanから、通路を挟んではす向かいに、頭からBongoをつっこむ。隣は普通車にトレーラーボックスを連結したtomobeさん。ちょっと離れたところに、matunagaさんのYZ85LWが停まっているのが見えた。受付に近い場所で、ニセmanabuがこちらに向かって両手を高く上げている。okano師匠のcarryは、まだ到着していないけど・・・MX408のイベントらしく、常連たちに囲まれた一日が始まろうとしていた。

「何とか持つんじゃねえか」Bongoの横に並べたcarryからCRF150RⅡを下ろして、遅れてやって来たokano師匠が笑う。「大丈夫かもしれないね、少し明るくなったし」その隣でmatsuagaさんが、コースの上に視線を流す。悔し紛れでも、叶わぬ思いでもなく・・・空は白く高く、ほのかな光をたたえていた。その下で、maedaさんの操る放水が、音を立てて路面へと落ちる。そのたびに乾いた褐色の大地が、埃を上げ、水を吸い込み、濃い土色に変わっていく。雷雨の気配は、どこにも残っていない。散水直後、始めはフルサイズクラス。ミニモトはその後の9時20分からだ。しっとりした、ちょうどいい路面にタイヤが絡みつく・・・そんな贅沢、起きた時は思いもしなかった。tonnyやgotoさんのトランポもパドックにやってきて、あちこちで4スト250cc単気筒の破裂音が鳴り始める。にぎわいが、また少し、空を高くしていった。

<つづく>