梅雨の晴れ間に 3

関宿町の北側を形取る江戸川と利根川、二つの一級河川を短い時間で続けて渡りきる。橋桁から見下ろす河川敷には、巨大な長方形の水たまりが、いくつか並んでいた。土色に沈んだ平べったい光景に、気分がぐらりと揺れる。記憶に鮮明なのは、水はけの悪い日陰のコーナー・・・そして、タイヤをのみ込む軟らかな赤土。スネークのひとつ目以外、陰になるコーナーがないMX408ばかり走っていては・・・不安が増幅するのも仕方がない。それでも、やり直しのきく距離にあるのが、半谷の良いところ。往復したところで1時間もかからない。westwoodの片道にも届かない時間に、Bongoのアクセルを踏む右足が軽くなる。ダメなら戻って、拙い動きの指をストラトに這わせればいい・・・「筑波サーキット左折」の看板を過ぎて左にウインカーを下ろし、国道354線から県道へと斜めに折れていく。行き交うクルマも信号も少ないアスファルトが、ゆるやかな上り下りを繰り返している。ここからだと、あと10分もかからない。全開にした窓から吹く風は

、まだ陽射しの強さを蓄えられないでいた。

<つづく>