梅雨の晴れ間に 8

エンジンに不規則な爆発を繰り返させながら、コーナーの最後をていねいに回ると、跳び出しが少し崩れた斜面がひとつ。それを越えて左にマシンを傾けつつ、左の人差し指を引いて、短く“全開”。いくつかのギャップをステップに立ち上がった下半身でいなすと、邪魔な大きなコブが現れて、そこまでの直線が右に逸れる。いびつに横切る水たまりの真ん中を突っ切って、もう一度、全開。明るい路面と空が見えてくると、最初のステップダウンの手前、厚く砂が積もった左コーナーに出る。ふかふかの粘土にフロントタイヤを奪われないように、シートに降ろした腰から上をまっすぐに伸ばして回っていく。ここからは・・・下りながらの直線が待っている。

砂に隠れたギャップ。突然フロントタイヤが左右に振られる・・・右手はできるだけ捻ったまま下った方が良さそうだ。その先に、1-2-1とコブが連続・・・速度を殺すためなら、うまい配置に見える。真ん中のダブルジャンプは、距離といい、“間”の深さといい、RM85Lとワタシの組み合わせが恐怖するには十分。跳び越すには、かなり時間がかかりそうだ。ゆっくり“舐めた”つもりが、二つ目のちょっとした凸にリヤタイヤが跳ね上がられて・・・前のめりのまま、1-2-1最後の斜面にも合わせられず、半端なジャンプで黒土に落ちる。半谷モトクロスパークで一番厄介な路面は・・・確かにぬかるんではいなかった。

＜つづく＞