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リーバイスの話じゃない。

“お開き”まで、あと少し・・・。場所が大塚じゃなかったら、時間が土曜の夜じゃなかったら・・・まだ落ち着いて待っていられたかもしれないのに・・・ひとつ息を吐いて、長卓の上、焼酎の空き瓶が転がる酒席を、無粋にも途中で立ち上がる。奥の座敷から店の出口まで見送りに出てもらって・・・ますます申し訳ない気持ちでいっぱいだ。救いといえば、一緒に“途中退場”する先生が居たこと。帰る先は鶴見だから「まだ時間に余裕はあるんだけど・・・明日も早いから」と、並んで店の暖簾をくぐり、扉の外に歩き出す。茶色に染めた短めの髪、自然な感じにパーマがかかっていて・・・浅黒い肌が、どこか潮を感じさせる出で立ち。とても“アラフォー”には見えない。その見た目が“新米先生”と、雨の上がった大通りを大塚駅まで肩を寄せて下っていく。まだ人気の多いコンコースを抜けて、そのままホームに上がる。山手線の外回りを待つ間、その体躯を決定づけている理由を聞いてみると・・・想像もしなかった、意外な答えが返ってきた。

<つづく>