Sachsenring 2/3

MotoGPが開催されるサーキットの中でも、1、2の“低速”を誇るとういうドイツザクセンリンク。ドイツと言えば、ホッケンハイムリンクを思い出すけど・・・往時の高速サーキットは改修されて、トリッキーなコースに生まれ変わっている。シュワンツとレイニーの熱戦も、今ではアスファルトの下だ。そんなザクセンリンクも、さすがはロードコース。時速200kmで下りながらのコーナーがあったり、ホームストレートが折れ曲がるようにアップダウンしていたりと、興奮するには十分すぎる曲線が緑の中に描かれている。旧東ドイツ領に位置するのが理解できるような、黒と灰色のまだら模様を背にして、21台の4ストマルチが二列に並んだ。シグナルが青に変わり・・・1000ccのマシンは、一気に第一コーナーへとなだれ込む。

見えない一筋の糸に導かれるように、数珠つなぎで曲線をたどるマシン群。なめらかに、等間隔に・・・まるでテレビゲームでも見ているかのようだ。ただ、均整のとれた“形式美”も、長くは続かなかった。明るい橙色に、深みのある青緑と白が乗せられたRepsol Honda TeamのRC213V。鮮やかなワークスマシンを駆るのは、ダニ・ペドロサケーシー・ストーナーの二人だ。チームメイトのその二人が1-2のまま、見る見る間に、後ろを引き離していく・・・。

<つづく>