Revenge 1

フープス手前のテーブルトップ。第二コーナーを立ち上がって、すぐに三速。第三コーナーのアウトの縁に一度車体を振ってから、向きが変わったところで半クラッチ・・・あともう少し。座ったまま我慢して加速すれば、跳び越せそうな気がしてきた。フープスを出た左の大回り。みんなが走って砂のはじかれたラインをたどるよりも、インへアウトへと自由にマシンを泳がせた方が、気分がイイ。ただ、油断しているとフロントタイヤが横滑りして、路面に打ち付けられそうだ・・・ほどほどにしておかないと痛い思いをする。バックストレートの終わり。アウトまで加速する気なら、やっぱり強く右の人差し指を引けるようにしておかなければいけない。加速と減速は表と裏・・・どちらか一方が巧いなんてことはありえない・・・と気持ちを新たに、フロントフォークが縮んでから、強くレバーを握り込む。

ダブルジャンプを跳び越えてスネーク。入口の左コーナーと、ひと山越えてからの上り口、右コーナーには、ワダチがある。うまくタイヤを合わせられない代わりに、とにかく車体を寝かせる努力はする。イン側のグリップを土にこすりつけるように、握った腕をまっすぐに伸ばして、無理矢理倒す。走っている間に、一度ぐらいは気分良く回れるようになった。スネークヒルの頂上。ダラッと右手を戻すだけではダメなことに気づかされる。インを獲るならなおさら、採石場のような砂利の路面に惑わされずに、ここでもしっかりフロントブレーキに働いてもらう。小さく捻るように下り始めると、少しだけ後ろとの距離が離れるような音がする。ホワイトモンスター。ここだけは、どうもダメだ。「寝かせたまま開ければイイ」とharada師匠に教わったけど、まったくRMは立ったまま。寝かせているつもりでも、外に逃げるようにはらんでいく。もはや転ばないようにするのが精一杯だ。続く平らになった左の切り返しから、第一、第二コーナーまで・・・この間が、一番厄介になった。下手に開ければ、すぐに転倒。今のRMは、どんなマシンよりも遅い感じがする・・・。

<つづく>