Revenge 3

ぶつかるようにして、第二コーナーを目指す二台。ほとんど同時に突っ込んだはずなのに・・・立ち上がった後は、一台分の間隔を開けて、CRFが前に居る。直線から第三コーナーを折れるのも、師匠の方が早い・・・ただ、その先のテーブルトップは、RM85Lが高く、遠くに跳べていた。続くフープスで一気に差を詰め、バックストレートの終わりで、ひとつの“塊”になる。スパインへ上がる逆バンクで少し離れても、ホワイトモンスターまでの間ずっと、何かあれば避けられないところでCRFの排気音を浴びている。しきりに後ろを振り返る師匠・・・今日は刺せるかかもしれない。うつむき加減からヘルメットを引いて、視線を上げると・・・machi-sanの横に、ryoが立っていた。

スネークヒルの頂点。そこから先は、あまり得意じゃないはずだった・・・それなのに、CRFのイン側にもぐり込んで、勝負を仕掛ける。虚を衝かれたように、一瞬、赤い車体が山の上にはじかれた。この二日で初めて、師匠に追われる番だ。下り坂の左端を頑張って、ちょっぴり加速する。ホワイトモンスターを抜け、ほとんど止まるような勢いから、“ホームストレート”と呼ぶにはあまりに短い直線を、緩やかに曲がり立ち上がる。真後ろから迫る4ストの排気音は、距離よりも近くに聞こえて騒がしい。第三コーナーを外と内とに分かれて、テーブルトップジャンプを跳び出す。空中で4速に蹴り上げて、フープスをアウト寄りのラインで駆け上がり、大きく右の外側にはらみ、加速する・・・。

＜つづく＞