真夏の祭典! 1

高く抜けるような青と、ぎらつく太陽。昨日がすっ飛ばされていったような朝だ。それでも、手のひらを握りしめれば、親指の根もとから肘の外側の筋肉が、鈍く痛む。このところ、腕上がりなんてしなかったのに・・・シロとネロに引っ張られるたび、ギギッときしんでは、腕が伸びきる。肘を曲げたまま、二匹を押さえていられない・・・「そんなに疲れたの?」。昨晩、夕食が終わってからテーブルを離れて、ソファーでテレビを見ている時だ。いつも楽しみにしている番組、しかも笑える内容だったのに・・・背もたれに寄りかかってウトウトしていたらしい。そのまま起きていられないくらい、確かに疲れていたのは・・・暑さのせいばかりじゃない。ただ、それは、心地よい感触としてカラダに残っているものだった。

湿った粘り気のある、生温い空気が、勢いよく後ろへと流れていく。緑色に波打つ稲田のはるか上には、灰色の雲がところどころにかたまっている。うまい具合に太陽が隠されて、信号のない農道を走る分には、エアコンを動かさなくても何とかやり過ごせる。風の抜けないガレージで、外側を包むプラスチックが膨らんだように温かく触れたから・・・標準よりも絞っているメインジェットを、さらに小さな番手のものに変えたのが、昨日の午後。それからすると、今朝はかなり涼しい。「プラグとオイルを交換するだけで止めておけばよかったかな」。東に進むにつれて濃くなる灰色に、にわか雨の予感を抱えながら、westwoodの前を通り過ぎていく。

駐車場には、毎年恒例の大屋台が思いっきり斜めに置かれていた。今宵は、龍ヶ崎も夏祭りらしい。

<つづく>