真夏の祭典! 6

さすがにこの暑さだ。いつも一緒の“シバ”は、部屋で涼しく留守番でもしているのだろう。ちょっと見ないうちに“シバパパ”は、少しだけ丸くなっていた。でも、過ぎた昔を懐かしむ話をしないのがイイ。40分を空けての20分へ、三人の中で真っ先に挑んでいく“シバパパ”fさん。数ヶ月ぶりでも、勘を取り戻すのが早いのは・・・長い経験があるからなのかもしれない。フープスを危なげなく越えていき、周回の流れも良くなってきた。そのフープスで並び、そこからアウトへ大回りしながらバックストレート。その先、もう一度左に回るコーナーで、アウトからフロントタイヤの前に被せていっても・・・頑としてインを譲らない。思わずこちらが引いてしまう・・・この“押し”の強さは、HERO’Sを走っていた頃のままだ。師匠二人とは別の、ワクワクした感じでラインを交差させて走る。ただ、ここはホームコース。一日の長はワタシにある。二度目のスネークに入るところで、CR85Rの左からインを奪い、そのまま外へと追いやって、日陰のテーブルトップジャンプを跳び上がる。着地した下りの斜面で“ひと開け”して、右に小さく回りスネークヒルを上っていく。てっぺんで切り返した時には、真後ろから少し離れていて・・・“シバパパ”は、まだ坂を上っている途中だった。

最後の練習走行から帰ってきて20分・・・少し汗が引いてきた頃を見計らったように、昼の時報がスピーカーから流れてきた。フルサイズのitoさんにtakebeさん、スパインの横で黄旗を握っていたiguchi師匠もやってきて・・・小さなテントが作る細長い日陰は、急に賑わい始めた。メシはたくさんで食べた方がウマい。話はもっぱら夏休みにどこへ行くか・・・MX408にはしっかりと“夏休み”があって、ちょうどお盆の入りが走れない。だから、「どこで走ろうか」というわけだ。ほとんどモトスポーツランドしどきに決まって、あとは土曜か日曜か・・・「あそこはレストハウスがあるから」と、涼しげな会話をしていても、露出した肌には汗が玉のように光っている。気温37℃。午後になって真夏は、“酷い”暑さに成長した。レース時間も、10分+1周の“+1周”だけ短くなった。一組目はフルサイズのオープンクラス。それが終われば、すぐに出番だ。

<つづく>