軽二輪で行こう 3

とりわけ高速道路は走る気さえ起こらない、缶コーラ一本分には、それでも、ずいぶん遠出をさせてもらった。特集が一区切りついた辺りで、そんな懐かしい名前と意匠が瞳に映る。YAMAHA SRV250。RGV250ΓとMONSTER900の間を彩り、ワタシとryoにたくさんの思い出を詰めてくれたVツインだ。街中では3速がやっとのΓに疲れて、時代を巻き戻したようなマシンに手を延ばしたのは28の時・・・もう20年も前の話になる。新車で手に入れた艶のある深い緑を、やさしく丁寧に慣らしながら、その“距離”を少しずつ縮めていったっけ。Γの半分ほどしかない馬力にもすぐに馴染んで・・・エンジンをブン回しても、なかなか減らないガソリンがうれしくって、Γの時よりも長く、遠くに出かけるようになった。ただ、右手の動きにゆったりと応えるロングストロークのエンジンにしびれを切らすのも・・・割とすぐのことだった。ぬくもりを感じる2気筒は、同じV型2気筒のΓのようには弾けてくれない。「じれったいっ!」が高じて・・・SRV250は、世界にひとつだけのマシンになっていった・・・。

<つづく>