軽二輪で行こう 4

キャブレターのスロットルバルブについた“空気穴”を拡げるだけじゃ物足りない。「こうなりゃ“強制開閉”しかない」と兄弟車XV250 viragoのインシュレータを加工して、三國のTDMRを強引に取り付ける。セッティングデータなんてないから、我流だ。感覚だけで合わせたセッティングでも、負圧式にはない反応でエンジンが回転を上げていく、全閉からの立ち上がりだけは、見違えるほどになった。

クランクケースカバーに穴が開き、ステンメッシュのオイルホースにつながった縦長のオイルクーラーが、ダウンチューブにねじ止めされる。メッキ処理された銀色のリヤサスは、兄貴分SR400用の、スプリングを弱いものに変えたオーリンズに変わった。空冷特有の熱ダレが少なくなって、18インチの前後タイヤも路面に素直になった。“オオカミ”とまではいかないけど、羊の皮をかぶったキツネぐらいにはなっただろうか・・・。

それでも素性の良さは変わらずだ。ツーリングで30km/lを割り込むこともなく、Γの頃はガソリン代に消えていた小遣いで、旅先でもずいぶん旨いものを喰えた気がする。そして、何回目かのタイヤ交換が終わると・・・いつしかryoと約束した“時”がやってきていた。

<つづく>