真夏の祭典Ⅱ 1

まだイケるのに。

熱中症対策で、今日も“プラス1周”が短縮されて・・・satakeさんの左手に「L-1」のボードが見えた瞬間、そう思った。やっと青い車体が届いてきたのに・・・。

第2戦と、ほとんど変わらない空。第一コーナーの手前、散水を吸い込んだ路面が、そこだけ鈍い茶色に染まっている。浮かんだ太陽に炒られる午後。陽射しの強さが頂点に達して、レースが始まった。集まりの良くなかったミニモトは、3クラスが一緒になってグリッドに収まる。85/150オープンクラスは、sudaさんとokano師匠、2台のCRF150RⅡにワタシのRM85Lで、合計3台。ただ、相手は二人だけじゃなかった。

隻眼の獅子magashimaパパのYZ85は、85/150サンデークラス・・・MCのエキスパートが、クラスを落として混走のレースを走る。2スト、しかも神経質なYZとは思えない安定した走りは、今日も健在だ。そして、もう一人。まさかこの男と同じグリッドに並ぶとは・・・思いもしなかった。KX85Ⅱを駆るのは、MX408の“アイドル”ニセmanabuだ。今日乗ったばかりの借り物なのに、ずいぶん決めてコーナーを立ち上がる。練習を見る限り・・・関東選を戦っているのは伊達じゃないようだ。

4ストミニ、お馴染みの“海坊主”ことkiuchiさんが、最後にグリッドへ入る。ワタシの左横に着けると、車体を半分ほど後ろにずらして・・・悪戯っ子のような瞳が、ゴーグルの奥で笑っている。スピーカーからは、聞き慣れた声が飛んできていた。

<つづく>