Re: boot!? 4

師匠のラインは“七変化”とはいかない。今も目の前、さっきまでと寸分たがわぬ右側のラインに合わせて、フープスに入っていく・・・「よし!」。ひとりヘルメットの中で気合を入れて、真ん中から少し左に寄った、深くてぬかるみの残るラインに、RMのフロントタイヤを真っ直ぐに合わせる。後半、少し速度が落ちるのもさっきまでと同じ・・・その間に、何とかCRFよりも先にフロントタイヤを出して、フープスを抜ける・・・「よし!」。そこから得意のバックストレートで、思いっきり右手をひねる。少しでも差を広げるために。ryoの視線も外して、ロングテーブルトップからスネークヒルのてっぺんまで、一気に走り抜ける。頂上で折り返して、下り坂・・・ちょうど右コーナーのワダチから、CRF150RⅡが立ち上がるところだった。フィニッシュラインに立つsaitoさんの手には、まだチェッカーフラッグが無い。少しだけ遠くなった4スト150の排気音を後ろに聞きながら、L1。そのままコースを一周、無事にチェッカーを受けてパドックへと帰る。新しい2連だけを課題に残して・・・。

gotoさんからの差し入れは、小さなアイスキャンデーとよく熟れたスイカ。どちらも走り終わったカラダに、ほどよい甘さで染み込んでいく。受付の2階建てコンテナの影、そのgotoさんとニセmanabu、そしてsaitoさんが、仲良く腰を降ろして涼んでいる。「パパは・・・跳んでないね?」saitoさんの言うとおりだ。スネークヒルの終わりにできた2連+1は、先週来た時と配置が少し変わっていて・・・今日は最後まで跳ばなかった・・・というか、跳べなかった。「ちょっと・・・。やっぱり怖いよ」と笑い、「こいつは跳んでるみたいだけどね」とニセmanabuに顔を向ける。そう言えば午前中、nagashimaパパも頑張っていたっけ。たぶんigichi師匠も跳ぶだろうから・・・次は「覚悟を決めて跳ばないと」いけない。ドヤ顔のニセmanabuに「どうせまた変えちゃうけどね」悪戯っぽく、口を曲げるsaitoさん。何にしても「走りやすくしてね!」とお願いして、日陰に隠れたBongoへと戻っていく。今日はこれから・・・湯ったり館。もちろんryoと、そして、ここに居るニセmanabuと一緒に。

<つづく>