ライムグリーン、発進。

「150回ローンかぁ・・・払い終わるのが先か、くたばるのが先かってことだな」Harley-Davidson “Forty-Eight” Sportsterの真っ黒な車体を前に、銀色をした脚の長いイスに腰掛けて、okano師匠とみんなではしゃぐ。12年と半年・・・気の遠くなるような話だ。鉄の躯をインチで組み上げる国の考えることは、まったく壮大過ぎて、よくわからない。それでもHarley-Davidsonに乗りたい連中には、奇跡のローンなのかもしれない・・・ワタシの“ボーナス4回払い”なんて、可愛いらしいものだ。

さっきまで音を立てていた雨が、ようやく小降りになってきた。まだ明るさの残る景色に、パチンコ屋のネオン管がケバい光を放つ。「コースを走ってる時じゃなくて、ホント良かったな」途中でパラパラと来たけど、散水にもならないほど。それもパドックに居る間だけで・・・走っている時は、曇天も気を使ったのか、大きな雨粒が落ちてくることは無かった。結局、生まれ故郷で最初のひと走り。まずまずの天気とベストコンディションに近い路面、最後にニセmanabuとokano師匠を追いかけようとして何度かバレそうになったけど・・・何とか転ぶこと無く、無事“慣らし”が終わった・・・。

今度の相棒は“ライムグリーン”・・・12モデルのKX85Ⅱは、二次減速比を変えたこともあって、シフトチェンジを急かせる、忙しい乗り味だった。

<つづく>