All Japan MX in SUGO

真夜中の4号バイパスは、一般道に居ることを忘れてしまう。ずっと数えていられるくらいのまばらな照明の中、1kmを1分ぐらいの計算で、北へと距離を稼いでいく。たまに現れる赤信号にあわてたり、いきなり迫る昼白色のヘッドライトに驚いたり・・・ほとんど高速道路と変わらない流れに感覚が麻痺して、そのたびにブレーキを踏みつけ、左にウインカーをおろして進路を譲る。それでも目の届く範囲、前にも後ろにもbongoだけになることもあって、家を出る時に”0”に戻したトリップメーターが、思っているよりもせわしく距離を刻んでいく。

栃木県氏家。片側二車線の道路が国道293号線とぶつかるまでは、モトパーク森と同じ道程だ。違うのは・・・第二のホームコースへ行くにも、とても時間が早過ぎるということ。いつもなら白々と夜明けの紫色を眺めながら、下手をすれば運転席に強い陽射しを浴びながら右に折れる交差点を、今は夜の端をなめるようにゆるく左へ逸れていく。灯りをたたえたいくつかの店構えを過ぎると、そこまでぜいたくに広がっていた車線がひとつになる。前には大型トラックが二台、信号が青になっても重たそうにエンジン回転を上げていくだけ・・・途端に流れが悪くなった。

それでも二車線にしようとする“努力”が道の両側に続いていて、暗がりの中、うごめく重機と人影が見える。白河の町外れまで来て、ポツンと真っ白に浮かぶコンビニエンスストアが見えてきた。左にウインカーを出して、その駐車場に入る。ここまで約150km・・・ここで初めての休憩とドライバー交代だ。あと数時間で食べることになるおにぎりとバナナを買い込み、残り半分をryoに任せて、シートベルトもないリヤシートに移動して横になる。狭い軽トラで寝ていたことを思い出して、二人、そのぜいたくぶりに顔がゆるんだ。

<つづく>