ライムグリーン、発進。 8(完)

午後になっての一本目が、85/150クラス。出番だ。さぁーっと雨が流れては消えていって、コースに散水は無し。程よい湿り気で、泥も埃も、マシンには付かない・・・路面は上々だ。だいぶ開けられるようになった午後、まずは「跳ぶ」ことにした。ニセmanabuもiguchi師匠もいなしていく、スネークヒルの下に並んだダブルジャンプ。ついにRM85Lでは跳べなかったココを、新しい相棒のKX85Ⅱで試してみる。図らずも初めての挑戦は、okano師匠の目の前。スネークヒルの外側、縁をなぞるように加速しながらKXが降りていく。バンクが終わり、縁から離れて、一番左の跳び出し口に向かってもう一度、短く加速する。整った“リップ”は、ちょっぴり高く、わずかな恐怖心がフロントタイヤと一緒に斜面にかかる。リヤタイヤがそれに続き、車体に角度がついたと思ったら、すぐに離陸・・・少しの勇気と、真新しいサスペンションが、緑色のマシンを軽々と持ち上げて、2つ目のコブの先にリヤタイヤを落とす・・・やった!ばっちり成功だ!

ひとつのギヤに入れたまま、半クラッチでごまかす・・・RMのような走りは、できそうにない。排気デバイスが付いていると言っても、その性格は“男”らしく、ちょっとばかり昔気質。二次曲線で立ち上がる2ストロークらしい味付けだ。おまけにギヤ比も低くしたから、エンジンは簡単に吹けきって、すぐに頭を打つ。kawasakiらしく、ちっちゃな“MACH”とでも呼ぼうかな?これからしばらく・・・この“Little monster”と時を共にする。一度も転ばず、上々の“立ち上がり”が、その時間の楽しいことを予感させてくれていた・・・。