平日、コソ練

朝露に濡れた緑が、朝日に向かってまぶしく光っている。クルマの影は、一様に右へと長く延びて、反対側を走るクルマが、事もなげに踏みつけていく。国道16号線と並行するように走る県道を、いつものように左に曲がると、途端に影は後ろに短くなり、サンバイザーの向こう側では太陽が、ぎらぎらと浮かんでいた。快晴無風。対向車の白いボンネットの上で、見事に光がはね返り、思わずまぶたが落ちる。陽の上がる方へ、・・・目指すのは、昔、通い慣れた我孫子ではなくて、その先。MX408だ。

何の支度もしていなかったから出るのが遅れたのはもちろん。だけど、それだけじゃない。平日は、どこの通りもクルマがあふれている。いつもの週末なら、すんなり一回で渡れる交差点も、二回、三回と信号が変わるのを待たないと先に進めない。westwoodの前を通り過ぎる時には、もう9時を回っていた。それから10分・・・9時15分にやっと到着したパドックは、saitoさんが言うよりもっと、もっと子どもたちばかり。「キッズ率高めです」・・・目の前の光景は、“高め”とは言わない。大人はワタシと、場違いなCRF450Rの二人だけだ。

<つづく>