All Japan MX in SUGO 2

<10/22の続き>

6時10分。スマートフォンのナビゲーションも、最近はかなり精度が上がっている。液晶画面の右下に、小さな文字で表示されていた“到着時刻”ぴったりに、コース裏手に広がる駐車場へとたどり着いた。日の出すぐの冷えたアスファルトの上、厚手の防寒ジャンパーを着込んだ警備員に千円札を渡して、言われるまま、山の斜面に伸びた砂利道へbongoが乗り上げる。青森、八戸・・・地元宮城以外にも、東北ナンバーがずらりと並ぶ。スポーツランドSUGO・・・レースを観るために来たのは、3年ぶりだ。

白いチョークが細かく引かれて、クルマ一台分の駐車区画が奥へと続いている。コースに近い手前は、まだ夜が明けたばかりなのに、すらりとクルマに埋められている。ほとんどがワンボックス車、モトクロス場ならではの光景が続いていく。入口から50mほど進んだ辺りから、駐車車両の間にすき間が出てきた。クルマよりも空間の方が多くなったところで、ryoがバックギアに切り替え、bongoを白い枠の中に収める。停まったBongoの助手席から地面に足を降ろすか降ろさないうちに、聞き覚えのある粘っこい声が耳に届いた。ryoに話しかけていたのは・・・無駄に元気なニセmanabuだった。

<つづく>