初レース! 3

横にもう一台、iguchi師匠のハイエースが入れるように、長方形にはBongoを斜めに突っ込む。通路にちょっと“おしり”がはみ出ているけど、邪魔にはならないはずだ。その通路をはさんで反対側に、PURETECHの一団が、ずらりと緑色のマシンを並べている。その中には、みんなのお目当て、IA-2の竹中純矢が駆るKX250Fもある。そんな全日本ライダーそっちのけで、ざりままとニセmanabuの話で盛り上がっていると・・・後ろからkusabaさんの声が聞こえてきた。あらためてこの二人をながめていると、初めて会った時から、ほとんど姿形が変わらない。「見習わなければ!」・・・少し自信の無くなった体形を気にして、会話の内容とはまったく違う方向に脳が動いていると、kusabaさんの肩越し、いつもの場所に、カワサキ#31さんの姿が見えた。

人数の割に“段取りが悪い“受付を済ませ、Bongoに戻る頃になってようやく、iguchi師匠のハイエースがやってきた。このところ、すき間だらけのパドックを見慣れた師匠は、少し面食らった様子で運転席から降りてくる。モトクロス歴はワタシよりもずっと長い師匠も、意外に初めてのMCFAJ。愛機CRF150RⅡの後から外に出てきたクッキーが、黒くて短い毛におおわれたカラダを、小さく揺らしている。MCFAJの最終戦・・・ナノハナのホームコースに、“アウェイ”な風が泳いでいた。

<つづく>