初レース! 9

スタート脇のテントで、グリッド抽選の棒を引く。迷わず手にした、細く平たいアルミの板に記されていたのは“11”。ゼッケンと同じ番号を引き当てて、なぜか「イケそう」な心持ちになると、スターティンググリッドの後ろ、コンパネに11と書かれたところまでマシンを押して歩いていく。1番くじを引いたヒトから順番にグリッドを選んでいって・・・11番目がワタシの番、というわけだ。初めて見るKX85Ⅱとの組み合わせに向かって、「何かヘン、似合わない!」と切り捨てるざりまま。その笑顔に見送られながら、J-Ⅲクラスのチェッカーが振られる前に、まだ隙間がのぞくグリッドの物色を始めた。

迷った末に選んだスターティンググリッドは、真ん中のボックスから左に3台目。悪くないところだ。ryoの駆るCRF15ORⅡは、そこからずっと左・・・と言うか一番左端で、第1コーナーから最も離れた場所に停まっている。ざりぱぱに頼んでおいた足台にalpinestarsの底をしっかりと下ろしているのか、上半身がゆったりしているように見える。いつもなら貧乏クジの“端っこ”も、後から思えば・・・トニーやざりぱぱが言うように、固く締まったラインに入っていける、好位置だったのかもしれない。ようやくチェッカーが振られ、“それ”がわかるまで・・・分単位になった。

<つづく>