初レース! 12

<11/22の続き>

固くなった路面にマシンが集中して、左右にラインを振れない・・・。二周目からは、一筋になったマシンの列に、首を横に揺らしながら走り続ける。三周目。早くも後半となるフープスで、左端をゆっくり、でも確実に越えていく後ろ姿は、どこか見覚えのあるウェアを着ていた。oneの“Spring Edition”の黒い背中に、マシンは赤いCRF150RⅡ。そのままフープスで詰め寄ると、高速左コーナーで横に並び、アウト側からゼッケンを確認する。白地に黒い357は・・・ryoのCRFだ。何てこった、10ヶ月ぶりに走るヤツに“出だし”で負けていたなんて・・・コイツがココに居て、他の3人を交わした記憶もないから、まだ、それもかなりマズい場所を走っているのか?スパインの手前、逆バンクの右コーナーで、そのCRF150RⅡがエンジンを止める。あっぱれなryoの快走も、ここまでだった。あわててキックペダルを引き出す右脇をかすめるように立ち上がり、続くダブルジャンプを跳び越えて・・・その先を走るマシンに、再びかみついていく。まったく、速そうに見えないところが・・・“まったく”癪に障る。

<つづく>