ラストファイト! ~2

「4位だったよ」と、ひどく残念そうに顔をゆがめたmatsunagaさん。いつもイバMOTOには顔を見せるのに、前回、残暑の第三戦に#53をつけたYZ85は無かった・・長かった夏の間、どうやらサーフィンに忙しかったらしい。ワタシより“一回り”も上なのに・・・okano師匠といい、まったく元気なご老体が多くて・・・“若造”は手を抜けないから、困ってしまう。ただ、この二人にnagashimaパパを入れた三人のベテランに囲まれるのも、イバMOTOのひそかな愉しみになっている。三人が揃った今日は、だから満足だ。

そのmatsunagaさんに洗車機を貸してもらって・・・表彰式もそっちのけ、KXとCRFにこびりついた粘土質の泥をはぎ落とす。2台中の2番手じゃ、どうにも極まりが悪いし、優勝のsudaさんは早帰りだし・・・。「また来年、よろしくお願いします!」、saitoさんのひと声で締まった表彰式が過ぎてなお、キリがないほどの泥水と格闘していたら・・・いつの間にか辺りはすっかり濃い灰色に覆われてしまった。夜半から雨が降る予報も、まんざら嘘ではなさそうだ。レース中に吹いていた風がやんで、雲が低く垂れ込めている。スターティンググリッドの脇に移動してきたBongoからは遠くなったパドックに、トランポの姿が見えなくなっていた。

<つづく>