390+(たす)ABS<(より)200? ~1/2

本屋で何気なく手にしたバイク雑誌の中、イタリア・ミラノで開かれたモータサイクル・ショーが、きらびやかな色と光で包まれている。ページをめくっていくと、ひさしぶりに眼を惹くマシンが、ひな壇の上でスポットライトに照らされていた。KTM 390 DUKE。2年前に発表された125DUKEの、ほとんどそのままの車体に3倍の排気量を持つエンジンを詰め込んだ、かなり野蛮なマシンだ。「イタ車以上、ドイツ車以下」と、いつも世話になっているkunoさんがKTMを“わかりやすく”教えてくれたけど・・・7年一緒に過ごした250EXC-Rは、本家Ducatiの上を行くレーシングマシンの香りこそすれ、イタリアの風もドイツのうっそうとした雰囲気も感じることはなくて、ただただ明るい橙色そのものだった。何しろ腰骨よりも上にシートがあるんだから・・・ナンバーを付けて走っているのが嘘っぽい作り込みだけが、妙に記憶に残っている。お気に入りだった、その250EXC-Rも、放蕩息子のおかげで“ドナドナ”されてしまい、XR230も居なくなって・・・公道を走る“脚”を奪われてうつろだった瞳に、この新顔が、とてつもなく眩しく映った。

<つづく>