390+(たす)ABS<(より)200? ~2/2

夜が明けるのも遅くて、隣に話しかければ、声がほのかに白くただよい・・・さすがに「乗りたくて」ウズウズする肌の記憶も、薄く遠くなってしまっている。それでも、こうして暖かな書店の片隅、誌面に落とし込まれた世界だけを眺めていると、きらめく緑の中、陽光を浴びて走り抜ける感覚が涌いてくる。その既視感の先にある山間に、橙色のトレリスフレームが翻り・・・思わず小指から、右手を握りしめていた。

ただ、このマシン、何が気に入らないって・・・ABSがついているってこと。

キャブがインジェクションに変わっていった時も似たような感情を覚えたけど・・・何か子ども扱いされているような気がして・・・どうもABSだけは認めたくない。おまけに、390DUKEだけじゃない。2013年からは、200にも125にも、このABSが搭載されると書いてある・・・。

『アル・パシーノ+(たす)アラン・ドロン<(より)あなた』・・・“あなたらしさ”感じられなくて、この恋、醒めちゃいそうなの・・・そうならないように、今のうちに手を打っておこうかな?走り納めの夜にでも、相談してみようか。できればkunoさんから鍵をもらいたい・・・。ただ、もうひとつ気に入らないのが、SUGOでまたがった車体に排気量375ccの44馬力エンジンが・・・十分すぎるほど魅力的に思えてしまうことだ。