Merry Christmas! 4

キャタピラの痕が、坂の途中から二連ジャンプの手前まで延びている。そして坂の頂上には、不規則なワダチが数本、ブルドーザーに踏みつけられることなく、しっかりと残されていた。昨日走った連中の“名残”だろう。そこからコースを逆走するように、陰になった斜面を目だけでたどっていくと・・・“すり鉢”の底にも、うっすらと曲線が2本引かれている。その先、正面に見えるもうひとつの斜面は、深い土色を陰に溶かして、ただのっぺりとしていた。

「これじゃあ・・・ギヤ変えてもわからないね」。慎重に足場を選びながら戻ってきたワタシに、師匠が追い打ちをかける。迫る走行時間に急いで支度を・・・とは、なかなかならない。見れば、常連は誰もマシンを降ろしていない。あのtohdohさんさえ、黒いベンチコートにくるまったまま、ハイエースの周りを行ったり来たり・・・tomobeさんなんか、“返金”してもらって帰りたい素振りだ。それでも「最後だからね」のひと言が、やわらかな土の上に、みんなを留まらせていた。

<つづく>