Merry Christmas! 8

<1/5の続き>

ワダチの縁にマシンを預けて、思いっきり倒し込むはずが・・・意気地ないココロがカラダを固くする。大きく左に曲がりながら下っているスネークヒルに、マシンを合わせられない。垂直の姿勢では曲がりきれるはずもなくて・・・あろうことかワダチの外側、右に傾いていくKX85Ⅱ。そして、そのまま右のスロットルグリップが、路面に突き刺さった。緑で初めての転倒。後味の悪い、とにかくカッコワルイ転び方をしたものだ。急いでマシンを引き起こし、コースに戻る。気を取り直して周回を重ねていると、あちこちのワダチも深く走りにくくなって、一周のながれがちぐはぐになっていく。

結局・・・最終コーナーで一回、師匠と競り合った焦りからかスネークヒルの入口で一回、ともにギヤ抜けの“失速”で転倒をやらかして、泥にまみれたKXに、余計な土を付けてしまった。それでも、この日のために取り換えて、高めに振ってきたリヤスプロケットのおかげで、ワダチ以外は何とか調子を崩さず走り切れた気がする。午後の一本目、30分ほどのバトル練習を終えて、師匠が「この前よりもずっといい」と言う走りは、このスプロケットの歯数が一役買っているんだと思う。ひと足早く上がった、その師匠をパドックに残して、最後の15分に挑む。西日がフープスの正面から、ゴーグルを狙って射してくる。

師匠の居ないコースで、このまま走り続けていると・・・気合が足りずに、どこかでブッ跳んでしまいそうだ。フープスもダブルジャンプも、逆バンクも最終コーナーも・・・程よくこなせたところで、チェッカーを受ける前に今年の走りを終わらせる。パドックに戻って、着替えをすませた師匠と少しの会話を弾ませてから、後片付けを始める。大きな泥だけを掻き落とし、洗車もしないでKXをしまい込み、夕闇が迫りつつある空の下、machi-sanとsaitoさんにひと声かけて、bongoの運転席にカラダを押し入れ、斜めにバックしてから、ゆっくりとハンドルを切り、師匠の後を追ってwestwoodへと走らせる。

<つづく>