年の初めに・・・終わり良ければすべて良し! 3

いつくじけるかわからない・・・弱気があっさりと財布から千円札を三枚つまんで、それをボードにはさんだ。“魔法の券”は・・・少し鼻がムズムズしてからじゃないと。「昨日より寒いよね?」と素直な感想をぶつけると、「いや、昨日の方がもっと寒かった」とキッパリ返された。陽が出ている分、まだマシなのかもしれないけど・・・昨日の寒さを知らないワタシには、極寒だ。左の足下に吹き付ける温風が、何とか“季節”を保とうとしても、本物には敵わない・・・季節が完全に戻ってしまう前に、パワーウインドウを上げたBongoがパドックへと走り出した。

左手、“冷暖房完備”のキッズルームの前に、見慣れたトランポが停まり、その後ろにはKX250F。tohdohさんだ。最近は、ココが定位置らしい。横に場所取りしているのは・・・ご無沙汰しているgotoさんに会えるのかな?今度は右手。nagashimaさんのハイエースが見える。降ろされているのはYZ85だけ。その横で、Bongoに気づいたパパが手を上げている。そこからさらに右へ・・・前かがみでのぞき込むようにして視線を流した先には・・・これも見覚えのある銀色のキャラバン、ざりままと走るのはひさしぶりだ。

半分くらいが子ども、それ以外は常連といった感じのパドック。この寒さが災いしてか、クラスを分けるほどの台数は揃っていないから・・・当たり前のように支度がのんびりになってしまう。一回りしながら「おめでとうございます」と「よろしくお願いします」を繰り返して、Bongoに帰ってくる頃には、コースから響く音も増えてきていた。いつものように朝一番から全力疾走のnagashimaパパが、けたたましく坂を上っている・・・ただ、じっとしていても寒いだけ。その高い声を聞いて、やっとカラダの内に火がついた。

<つづく>